2023年8月20日(聖霊降臨節第13主日) 説教要約
説教題「束縛から解かれる日」
聖書:ルカによる福音書 第13章6〜17節
「イチジクの木」の譬え、18年間も障がいを負った婦人が癒されるという物語が今日の聖書箇所です。イチジクはクワ科に属する植物で、聖書ではよく登場します。「イチジクの葉の下で過ごす」こと、その一族の安定と繁栄の姿と称され、ザアカイはイチジクの枝からイエスを見、幸運を呼び込む姿が描かれています。イチジクの木を譬えにした記事は2種類あります。一つは今日の譬え、もう一つは、マタイによる福音書、マルコによる福音書に描かれ、実を付けないイチジクをイエスが腹をたて「これから先、実がならない」というと、そのイチジクが枯れてしまったと譬えであります。一方は「生かされ」もう一方は「枯れてしまう」という真逆の結末です。
今日の聖書をどう読むか、イチジクの木の物語は、「ある者」(イチジクの持ち主)と「園丁」が登場し、持ち主が「実をつけぬ木は切ってしまえ」と命じます。すると園丁は「今年もこのままにしてくれ」と頼み、そして、「木の周りに肥やしをやりますから、来年実をつけるに違いない」と持ち主に頼み込みます。持ち主と園丁との関係が明らかにされていませんが、園丁の「今年もこのままで」と願う姿、そして「木の周りに肥やしをします」という姿は、「人を生かそうとする」イエスの人への思いやりと受け止めることができます。それは、婦人を癒すイエスが「18年もサタンに縛られていた。安息日であろうと、解いてやるべきではないか」と、婦人を生かすイエスと同じ行為と見ることができます。
主任担当教師 井上 勇一