2023年1月1日(降誕節第2主日) 説教要約

説教題「この目で救いを見た」

聖書:ルカによる福音書 第2章22〜40節

新しい年が明けました。新年礼拝を捧げ、今年もみんなで祈り併せることができました。感謝です。

平和の内に新年を迎えます。今の私たちは自然のことであろうと思うのですが、戦禍の中にあるウクライナでは厳しい不自由な年越しです。私たちは「自分の平安を祈る」が、ウクライナの人たちにとって、新年の祈りを捧げる、その祈りは深刻なものであると推測します。

今日の聖書の言葉は、ヨゼフとマリアの家族が「神にイエスを捧げる」ために宮詣をする場面です。両親はそこでどのような心境で「祈り」を捧げたか、気になります。平和の中で平安の内に祈りを捧げたか。それとも厳しい情勢下で祈りを捧げたか。皆さんはどう受け取るのでしょうか。

今日の聖句には、二人の預言者が登場します。シメオンという老預言者、それにアンナという老女預言者であります。二人とも神殿にて神に仕える預言者としてありますが、当時、預言者とされる者は多くいたことが想像できます。ヨハネは荒野を活動場所としていましたし、シメオンたちのように神殿で活動した預言者もあったと考えると、点在するように預言者たちは活動し、「救い主の待望」を予告していたことが想像できます。

この背景には「政情不安と他国の侵略」による民衆への抑圧であり、自由への渇望ではなかったでしょうか。イエスが宣教開始の根拠としたのが、イザヤ書61章1節の言葉であります。「貧しい人に福音を告げ知らせるために、主がわたしに油を注がれた」であります。民衆を解放し、希望と自由を告げ知らせるために、と宣言するのであります。

幼子が神に捧げられる。厳しい世相の中、先々にある試練を予測するものがあります。

主任担当教師 井上 勇一