11月13日(降誕前節第6主日) 説教要約
説教題「生きている者の神」
聖書:ルカによる福音書 第20章27〜40節
聖書の内容は大まかに言うと3つあります。一つは、生きている神が神の民イスラエルに係る「歴史」。一つは、神の民イスラエルが神の前に生きた証し。もう一つは、その民の前に示された神の救いの「しるし」であります。これらの内容は膨大な資料をもって記録した書物、それが聖書と言えます。その中で大切なキーワードとなるのが「生きている」と言う言葉と「死」と言う言葉であります。
「生」は、力、富、健康、繁栄、勝利と言う状態を起こし、「死」は、敗北、負ける、滅び、民族の繁栄や民の破滅という状況を起こす、「生死」と言う人の生存は、民の興亡の歩みとなり、国家の繁栄となります。ですから、イスラエルの民は、一族が生存し、世代を超えて維持され続けることを願いうのであります。
今日の聖句は、「一族の血を絶やさない」と言う神の民の教えと復活の時の状況を問いにして、イエスにぶつけられます。「7人の兄弟がいた。長男が妻を迎えたが子を残さず死んだ。次男はその妻を迎えたが、その次男も死んだ。次々に息子たちはその妻を迎えたが息子たちは子を残さずに死んでいった。そして、その妻もやがて死んでいった。復活した時、この妻の夫になるのは誰か?」と、問うのであります。
イエスはここで「復活の時の状態」を語り、そして、私たちの神は、「生きている者の神である」と言います。それは、「私たち人は神によって生きているから」とイエスは言います。人の希望、願いとして「復活」が語られるのに対して、イエスは「生きる神は生きている者の神だ」と言います。今日は、この「復活」に対して「生きている神」がどう係るのかを考え、神の恵みの豊さを考えたいのです。
主任担当教師 井上 勇一