6月5日(聖霊降臨節第1主日) 説教要約
説教題「聖霊が降った時」
聖書:使徒言行録 第2章1〜13節
イエスが復活後40日にわたって、弟子たちの前に現れ、新しい鬨(神の支配)の到来を示しました。イエスの昇天後10日して、約束の聖霊降臨の時がきました。使徒言行録は、その様子を明らかにしています。
聖書には、神の指示によって、形勢が一変する出来事、「時の変化」が起こります。海が真っ二つに別れ、民が救われる場面。捕囚の民が帰還を許され、都を再建する場面など、神の民が生きる者とされていく場面の一つが、イエスの死と復活であり、聖霊降臨の出来事であります。この変化は主体的、自立的に神の前に生きる人が創り出されることでありました。
聖霊降臨の時、弟子たちは聖霊に満たされ「霊」が語らせるままに、他の国々の言葉で話し出した、とあります。福音を語ることがなかった弟子たちであったが、福音をいろんな国々の言葉で話し出したのです。変化の度合いは「神の前に在る主体を確立した」というもの、この変化は神の前に生きる子として、イエスの福音をもって初めてのことでありました。この出来事の後、ペテロの説教が描かれます。ペテロは変化をヨエルの預言の言葉をもって「神の霊が注がれた時、あなたたちの息子、娘は預言し、若者は幻を見、老人は夢を見る」と表現をします。ペテロ自身も復活のイエスに出会い、聖霊を受けた自覚として、「神は信ずるものの主体的な変化」を語ります。そして、「神は十字架に死んだイエスを復活させた。私たちは皆その証人だ」と自覚的に告白するのであります。
この「復活のキリストを主と告白する」弟子たちによって作られたのが教会でした。弟子たちの変化、それが教会の特徴を作ったと言えるのではないでしょうか。
主任担当教師 井上 勇一