5月8日(復活節第4主日) 説教要約

説教題「子の栄光は父の栄光」

聖書:ヨハネによる福音書 第13章31〜35節

イエスは、弟子たちの足を洗った(洗足)の後に、弟子に「新しい掟」、「互いに愛し合いなさい」と勧めます。他の福音書では、「神を愛し、隣人を愛し合う」という「我と汝」との応答性を大切にするのに対し、共観福音書では、私と神、私と隣人との関係性を大切にしています。共観福音書における「新しい掟」は律法(レビ記19章18節、申命記6章5節)に起因し、ヨハネによる福音書の場合は「父と子」との一体性にある(ヨハネによる福音書17章22〜26節)と言えます。イエスは「互いに愛し合う」具体的な行為を求めますが、それがキリストに従う義務のように「洗足」の行為として示されます。

本日の聖句にはもう一つ大切な言葉があります。「神が人の子によって栄光をお受けになったのではれば、神も人の子に栄光を与える」(32節)であります。イエスが十字架の死と復活を通して、神が子によって栄光を受ける。ならば、イエスの行為に対して、イエスに習い、イエスを信じて生きるものに等しき恵みを与え、子に栄光を与えるというのであります。

イエスは言います。「互いに愛し合いなさい」、そうすれば私の弟子であることを皆が知るようになり、神も知るようになると言います。このイエスの願いにはイエスの福音の真理があります。ヨハネによる福音書17章22節で「あなたがくださった栄光をわたしは彼らに与えました。神とわたしが一つであるように、彼らも一つとなるため」と。「わたしに対するあなたの愛が彼らの内にもあり、わたしも彼らの内にいるようになる」ためと、神の恵みの在り様を祈るのです。

「互いに愛し合う」行為は、この神の恵みに生きる者の在り様とも言えるのです。

主任担当教師 井上 勇一