3月27日(受難節第4主日) 説教要約
説教題「われに聞け!」
聖書:マルコによる福音書 第9章2〜10節
本日の聖句では、「山で変貌するイエス」が描かれています。この聖句は2つの視点から見ることができます。一つは、弟子たちの信仰という視点です。もう一つは、変貌するイエスの視点からです。
信仰の視点は、弟子の3人がイエスに伴われて、高い山に登ります。その山道は信仰という道として捉えられます。漁師出会ったペテロの信仰を見ると、彼はイエスの福音の行為を捉え、「あなたはメシアです」と告白します。するとイエスは「死と復活の予告」をするのです。そこに信仰の成長を見ることができます。ペテロの信仰の成果として「変貌するイエス」と出会うのです。神の場の体験は、モーセにしても、偉大な預言者にしても同じような体験をします。言わば、ペテロが同じ経験をするのです。
「イエスと共に生き、求め続けること」で等しい恵みに与かることができる。それを変貌の山での体験が語るのです。
もう一つの視点、「イエスの福音」から見ると、弟子の告白を受けて、「福音」の秘密を明らかにします。そして「神の子」として生きたモーセ、エリアと共にいる場が用意されるのです。神の意思がモーセ、エリア、そしてイエスと受け告げられたことが明らかにされます。しかし、神は、モーセには、「行え」と指示をし、モーセは神に従う「掟」もって、従うことで応答します。しかし、イエスには「聞け」と聞くことを求め、その応答として「祈り、求める」ことを指示するのです。
この神の「聞け」という声は、神の指示が是正されたことを意味します。神の「救い」の約束を前に、当初「従う」ことを求めた神は、それを「祈り、求める」ことへと改めました。それは「何故か」考えさせられます。
主任担当教師 井上 勇一