2月20日(降誕節第9主日) 説教要約

説教題「神の居場所」

聖書:マタイによる福音書 第6章33〜34節

以前に、カトリック河原町教会でやっている黙想会というもので、N神父という方の話をよく聞きに行っていました。ここ2年間はコロナで中止なっています。N神父は、カトリックの世界ではそれなりに知られた面白い話をされる神父です。何年か前のクリスマスを前にした時に、こういう話をされました。

N神父が保育園に行っていた子供の時のエピソードです。シスターがクリスマスに空っぽの馬小屋を作って、藁を用意して、園児たちに「良いことをしたら、藁を1本ずつ馬小屋に敷いて、イエス様を迎えましょう」と言いました。

園児達は、張り切って、お互いに競争するように、良いことを沢山して、馬小屋は藁で一杯になりました。それを見たシスターが「あら、これではイエス様が入れないわ」と言ったのです。

その時、N神父は幼な心ながら「善行を積み重ねて一杯のところには、イエス様は入れないんだ」と悟ったということでした。「善行を積み重ねて、一杯のところにはイエス様は入れない。」これは人の心に言っていることです。

良いことをしようという思いで一杯の心には、イエスは入れないのです。同じように、思い悩みで一杯の心にも、イエスは入って来られないのです。心の中にイエスが入って来られるスペースを作らなければならない。心の中に神の居場所を作らなければならないのです。

西新教会 俣田浩一 牧師

※本日は京都教区の講壇交換日でした。