2026年6月14日(聖霊降臨節第4主日) 説教要約

説教題「この世を生きる霊」

聖書:マルコによる福音書 第5章第1〜20節

サムエル記の言葉に「主から来る悪霊がサウルをさいなむようになった」(サムエル記14:14)とあります。神の創造の世界は天体から微生物まで、さらに霊をも創造し、悪霊までも創造されたと理解できます。今日の聖書はレギオンと称する何千もの悪霊が宿ったとされる人の物語であります。悪霊に汚された者は人の力、意志ではどうにもできず、その一帯の者はどうすることもできませんでした。ただその者はイエスには従い、「後生だから、苦しめないでほしい」と願い、「ゲラサ地方から追い出さないでほしい」と頼み、「人から出てもそこにいる豚の中に送り込んでほしい」と願うのです。イエスが移ることを許すと霊は豚の中に入り込む、すると驚いた豚は湖の中に入っていき、おぼれてしまい、人は霊から解放されて正気になります。癒された者はイエスに一緒に連れて行ってほしいと願うのですが、イエスは「自分の家に帰れ」と言います。すると、癒された者はこの地方にイエスのしたことを言い広めるのです。

この物語は、イエスの人を見る見方を考えさせられます。私たち人はレギオンに囚われた人を「異質な者」と捉え、除外の対象とします。しかしイエスはその者の汚れた霊を取り去って、再び生きる者とされる。家族との関係、地域との関係を回復させ、人と人の関係をつないでいくのであります。

コリントの信徒への手紙一12:12~以下に「私たちはユダヤ人であろうとギリシヤ人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの身体となるためにバプテスマを受け、皆一つの霊を飲ませてもらった」と言います。ゲラサ人であるレギオンの悪霊に犯された者が解放され生きる者とされる。「一つの霊」である聖霊を受け変えられた人の姿をみることができます。レギオンの霊が「豚に移る」という決断には、聖霊と対峙する霊の姿を見るのです。

主任担任教師 井上 勇一