2025年8月10日(聖霊降臨節第10主日) 説教要約

説教題「キリストと共に生きる」

聖書:マタイによる福音書 第9章9〜13節

本日の聖句は「弟子マタイ」の招集記事です。イエスは、収税所にいたマタイに「わたしに従いなさい」と勧め、マタイは立ち上がって従ったとあります。その後、イエスは収税人仲間と一緒に食事をしますが、「徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」とファリサイ派の人が問います。するとイエスは「わたしは罪人を招くために来た」と応え、彼らの詰問に反論するのです。

イエスの弟子は12人、イエスに従った人々から選んだとあります。彼らの出身は様々です。ユダヤ社会でリーダーである祭司や律法学者ではなく、むしろ、庶民であり、漁師であり、差別され苦しむ人たち、それが弟子でありました。マタイの招集の時も「わたしが来たのは正しい人を招くためではなく、罪人を招くため」と、弟子としての立場が明らかにされます。そして、預言者ホセアの言葉をもって「わたしが喜ぶのは愛であって、いけにえではなく、神を知ることであって、焼き尽くすささげものではない」と言います。イエスは12人を「自らを神に捧げることができる人、神を求め続けることができる人」として選び出しました。いわば、イエスの福音を受け止め、自らをもって捧げられる人を選んだと言えます。

イエスの福音は「和解の福音」です。隣人を裁くのではなく、隣人を赦すことを求めたのです。復活の主がペテロに「わたしを愛しているか」と三度問います。ペテロは「あなたはすべてをご存じです」と応えます。ここに「和解の福音を託す」イエスがあり、応えるペテロがあるのです。

主任担当教師 井上 勇一