2025年7月27日(聖霊降臨節第8主日) 説教要約
説教題「実によって木を知る」
聖書:マタイによる福音書 第7章15〜29節
イエスは、山上の説教を終わるにあたり、私たちに信仰的な問いかけをする。「実によって木を知る」をいう謎です。またこうも言います。「わたしに向かって、主よ、主よと言う者が皆、天国に入るのではない。父の御心を行なう者だけが入る」と問いかけます。
教会はこのイエスの問いかけから二つに応答をしてきました。一つは「イエスの勧めを行なうことで義」と認められる(ヤコブの手紙 2:24)。もう一つは「イエスを信ずる信仰によって義」とされる(ローマの信徒への手紙 5:2)。教会はこの二つの信仰のあり方を巡って、両論をもって「キリスト信仰」と位置付けています。
イエスは言います「何よりもまず神の国と神の義とを求めなさい」と、「神の国を求める」は「救いを求める信仰」と理解すると、神の義は「神を愛し、隣人を愛する行為」と理解できます。するとイエスは「信ずること、行動すること」共に勧めたと理解できます。また、この勧めは一方で「救いという希望」を人の心に起こし、生きる力を人に与えてきました。他方、「行為・行動」を起こすことで、人の心をつくり、社会の倫理を創り出してきました。「神の国を求める」、「神の義を求める」は、イエスの福音の両輪であったのではないでしょうか。「実によって木を知る」という「祈り・献身」から生まれる「行為・行動」を求める者に求めたのです。
イエスの福音が「神の国を求める、神の義を求める」との信仰によって、生き続けたと言えるのです。
主任担当教師 井上 勇一