2023年5月7日(復活節第5主日) 説教要約

説教題「わたしが任命をした」

聖書:ヨハネによる福音書 第15章11〜17節

イエスは、12人の弟子を集めますが、「人を獲る漁師にしよう」と声をかけ、弟子にと声をかけられた者たちは、何もかも捨てて従っていきます。弟子たちは食と住とを一つにし、集団を作って、イエスに従っていきます。イエスが福音を「言葉」と「行為」をもって明らかにする中、弟子たちは、それを見、習う中で、ある時には二人ずつになって、イエスの福音宣教を手伝うのであります。彼らは、イエスを預言者として捉えていましたが、ある時イエスは弟子たちに「私を誰と思うか」と問います。するとペテロが「あなたはメシアです。」と信じ、告白します。

この時期は洗礼者ヨハネが殺され、ヨハネの弟子たちは離合集散し、イエスの活動は活発化していきました。今日の聖書は、このような時期と言えます。イエスは「ブドウの木とその枝」との関係を語り、「木の枝につながる」ことを強く求め、「よい実を結ぶ」こと、それが農夫である神の願いと、譬えで語ります。そして、ブドウの木であるイエスは、「わたしはあなたがたを友と呼ぶ」と、イエスの強い意思が示されます。

イエスの「友」は、弟子を指すというよりは、イエスの知り合った人たちを指します。涙でイエスの足をぬぐう女であり、恐る恐るイエスの袖に縋りつく女であり、貧しさの中で物乞いをするラザロであったりと、イエスとこころ通わせた人たち、イエスはその者を「友」と言うのであります。

イエスは言います「わたしがあなたを捉えた」と。そして、「つながっていなさい」と。私たちがイエスとつながり続けるためにはイエスは「互いに愛し合いなさい」と言い、これが命令だと言うのです。イエスの兄弟愛は「己の命を捧げる」と言う行為で示されます。このイエスの兄弟愛を前に「どう応えるのか」と問うのであります。

主任担当教師 井上 勇一